ずっとやさしい手のひら・続編
入院手続きを済ませ、看護師さんに病室まで案内された

「まだ軽い陣痛みたいね。これからが大変なのよ」

「は…い」

看護師さんは笑いながら言っていたけど、そんなこと言うからまた不安になってくる

「でもね、赤ちゃんだって早くお母さんに会いたくて頑張ってるの。だから頑張りましょうね」

「はい」

痛いのは私だけじゃない

この子も頑張ってる

また陣痛がジワジワと私のお腹を痛くする

「痛・・・い」

「こうやってだんだんと間隔が狭くなってきたら陣痛室に入って分娩室に移動することになるからね」

ベットの上で腰を丸め自分で擦る

お母さんにも連絡したけど福島から来るから今すぐここには来れない

一人で出産ということに虚しくなる

初めてのことでどうしたらいいのかさえ分からない

赤ちゃんの本を読んで出産の勉強をしたけど、実際こうなると勉強したことも空っぽになっている

ただ痛さに耐え、治まるのを待つ

体勢を変えても痛さが落ち着く訳でもなく、時計を見て痛さに堪えていた




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