ずっとやさしい手のひら・続編
「痛いよ」

あまりにも痛くて涙が出てきていた

健太がいないという不安と寂しさでどんどん私は落ち込んで行く

ガラッ

「亜美」

勢いよく開いたドアの向こうには息を切らした愛しい健太が立っていた

「健太・・・」

健太の姿を見た瞬間、嬉しくて涙がポロポロと溢れだす

「ごめんな。一人で心細かったよな」

健太は流れ落ちる私の涙を親指で拭いながら、頬に優しく触れる

「電話とメールに気付いたのは空港に着いてからで、すぐ連絡しようと思ったけど病院に行くことしか頭になくて」

「待って・・・たんだよ」

駄々を捏ねた子供みたいに私は泣き、そんな私を健太がなだめる

「ごめんな」

でも来てくれたから・・・

健太がいるだけで私はそれでいい

「お腹痛いのか?」

「もう痛いってもんじゃないんだよ」

「変ってやりたいけど変ってやれねぇし」

私の右手をずっと握っててくれて、それだけで不安が安心へ変っていく

「ずっと傍にいるから」

「うん」

「頑張れ」

私、頑張るよ

健太と私の大事な赤ちゃんのために・・・

今を乗り越えてみせるから

だから見守っててね



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