ずっとやさしい手のひら・続編
陣痛の間隔がだんだんと短くなり、私は痛さと戦っていた

張り裂けそうなぐらいお腹が痛くて、体全体に汗が流れ出し、健太に握られている手も汗で滲んでいた

「痛い、痛い」

「亜美頑張れ」

擦るのが疲れているんじゃないかってぐらい何度も何度も私の腰を擦ってくれている

私の額から流れる汗を健太がタオルで拭って、そしてまた腰を擦る

ずっと心配そうな顔で私から目を離さず、

「亜美だけが辛い思いをして、こういう時男ってなんにも役に立たないんだな」

「ううん。傍にいてくれるだけで気持ちが和らぐんだよ。健太が今日地方じゃなくてほんとに良かったって思ってる」

私が一人だったら心細くて耐えられなかった

「いてくれてありがとう」

本当に感謝してる




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