ずっとやさしい手のひら・続編
私の腕の中ですやすや眠っている

よく頑張って産まれてきたね

どんなに会いたかったか…

この日をずっとパパとママは待っていたの

眠る顔を見ているだけで笑顔になる

あんなに痛かったことも忘れるほど可愛いくて、愛しくて…

「ママになったな」

そんな健太も目尻を下げて微笑んでいる

「うん」

壊れ物を触るかのように我が子の手を握り

「小さい手」

「ほんとだね」

何分か前には私のお腹の中にいたのに今は私の腕の中にいる

「お父さんも抱っこしていいのよ」

助産婦さんが赤ちゃんを抱き上げ健太の腕へと預けた

「緊張する。どうやって抱けばいいのかわからねぇ」

体が硬直している健太の胸の中にすっぽり収まっている

「小さいな」

「どう?かわいい?」

「あぁ」

きっと健太は私を大切にするようにこの子も大切にしてくれる

絶対に誰よりも愛してくれるはず…



< 46 / 50 >

この作品をシェア

pagetop