ずっとやさしい手のひら・続編
「驚かせようと思っていたのに、亜美を悩ませてしまったな」

「ううん…嬉しい」

ちゃんとこうやって私のことを考えてくれる

自分を犠牲にしてまで、私を大切にしてくれる

いつもいつでも私は健太に大事にされてるんだよね

「ごめんね」

「亜美は悪くないよ。隠していた俺が悪い」

ほら、やっぱり自分のせいにする…

「これからは俺も隠し事しないから、亜美も溜め込まないで言うこと」

ギュッ

横に座っていた健太が、いつもより強く私を抱き締め、

「今でもな。亜美と結婚したことが信じられなくて…」 

そう言って一瞬黙り

「俺はあの頃の気持ちも今の気持ちも少しも変わっていない。高校の時、初めて会った時からずっと亜美だけだから」

温かいね…

健太の体温も健太の言葉も…

すべての優しさが私の心に染み込んで行くよ

昔も今もこれからも私達はいつも一緒

離れていた溝が音を立てて、引き寄せ合うように一つになって行く




< 7 / 50 >

この作品をシェア

pagetop