晴れた日に降る雨のように
「まあ、そっか」

そのあたりさわりのない答えに、ホッとしたのか、本当はこのあたりでバッサリと、結婚でもしてくれて終止符を打ちたかったのか。

自分の気持ちがわからないまま、私は祐樹を見ていた。

周りの女の子たちがの視線が、祐樹に向けられている。

そんなことすらもう慣れているようで、視線を気にすることなく、整った顔は涼しげな表情を浮かべて、夜の街へと溶け込んでいく。

でも私は見た目で祐樹を好きになったのではない。

むしろそんな軽く見える祐樹が初めは苦手だった。

しかし、その外見とは反対に、見え隠れする繊細なところや、優しさ、強さ……惹かれたくないのに、好きになってしまう自分がどうしようもなかった。

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