晴れた日に降る雨のように
「あき?早く来いよ」
その声に周りに目を向けると、祐樹を見ていた女の子たちが、私を見たあとすぐに視線は祐樹へと戻るのがわかった。
ようやく私は自分が足を止めていたことに、その声で気づいてハッとした。
ふわりと柔らかな前髪を搔き上げる仕草に、私も周りの女の子のように見惚れていたのかもしれない。
バカだな……。今更。
自己嫌悪に似た感情に、心の中で大きなため息を一つつく。
「あき?」
もう一度私の名前が祐樹の口から呼ばれ、1歩づつこちらへと向かってくるのがわかり、慌てて足を踏み出すといつもより高い、無理して履いたヒールがアスファルトの歪みにひっかっかる。
「酔ってるのか?」