約束〜二人で帰ろう〜
「お前ら、何で……」

元彼氏がリビングに入って来た。瑠璃ちゃんは怯え、私は辺りを見回す。すると、リビングの床につっぱり棒が置かれていた。私は迷わずそれを手に取る。

「瑠璃ちゃん、逃げて!逃げて警察に電話をして!」

私は瑠璃ちゃんに言う。瑠璃ちゃんは「でも……」と迷いを見せた。

「言ったでしょ?私があなたを守るって!さあ、早く行って!」

私が笑いかけると、瑠璃ちゃんはコクリと頷き窓から外へと飛び出して行った。私はそれを見て安心し、目の前にいる誘拐犯と対峙する。

「テメェ、何てことしやがるんだ」

元彼氏の怒気を含んだ声が低くリビングに響く。私は怯むことなく、口を開いた。

「それはこっちの台詞です。人の自由を奪って、人を脅して、最低です。あなたが母と兄を捨てたのに、本当に自分勝手ですね。母があなたと結婚しなくて本当によかったです」

「うるせえ!黙れ!!黙れ!!ぶっ殺してやる!!」
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