クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
「アルバート様、これは好機ではありませんか?
婚礼が催されるということはパーティも開かれるはずですし、招待客の中に紛れ込めば、二人に近付くのも容易なことではないでしょうか?」

「ネイサン…馬鹿なことを言うな。
そんな場所で彼らを殺めたら…間違いなく、我々は殺されてしまう…」

その言葉に、私は身震いした。
絶対にいやだ!
アルバートさんやネイサンさんが、死んでしまうなんて…!



「アルバート様、私とオスカーとで必ず仕留めます。
アルバート様は私達をパーティの場に連れて行って下さるだけで…ですから、危険は…」

「ネイサン…私は、自分の命を惜しんでいるのではない。
この使命は私がすべきことなのだ。
君達を犠牲にすることは出来ない。
だから、極力、危険の少ない場所を狙う。
パーティはあまりにも無謀だ。」

「しかし……」

ネイサンさんは、残念そうだったけど…
アルバートさんの気持ちを知って、私はちょっと安心出来た。
アルバートさんは、無謀なことはしない。
ネイサンさんたちのことをちゃんと考えてくれている。
目的のためには、手段を選ばない…そんな冷酷な人じゃなくて本当に良かった。



(……やっぱり、アルバートさんは良い人だね。)

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