クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国（パラダイス）～これってもしやシンデレラストーリー！？

＊



「それはどういうことなのだ？」

「まだ詳細はわからないのですが……」



夕方になり、ネイサンさんが戻って来て…早速、聞き込んで来た情報を話した。
なんでも、アルバートさんたちが狙っていたあのふたりが城にいないようだとの話だった。



「しかし、別荘には戻っていない。
しかも、それらしき馬車が城から出た形跡もないのだろう？
一体、どういうことなんだ？」

「はい、今日は私の知り合いの、そのまた知り合いに話が聞けたのですが、その者は誰だかわからない男性の部屋の警備をしていたそうなのです。
それがおかしな話なのですが、ある部屋の窓の外で警備をしていたそうで、絶対に、部屋の者が窓から外に出ようとしないように不寝番をしていたそうです。
罪人なら牢に入れるだろうし、なんだかおかしな命令だとは思っていたそうですが、命令に背くことは出来ません。
出来るだけ見ないように心がけてはいたらしいですが、それでもたまに窓から部屋の様子が見えたらしく、その男は部屋にずっと監禁されているわけでもなく、それなりの自由はあったようです。
ですが、部屋を出る際には常に供の者が張り付いていたらしいです。
その話を聞いて、私はそれが例のふたりのうちの男ではないかと思ったのですが、アルバート様はいかが思われますか？」

「そうだな。重要な役割を持った者だから、それなりの待遇をしていたのかもしれない。
その可能性は強いと思う。」