クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
side カンナ
「あぁ…やっと着いたか…」
みんなの視線の先には、ファーリンドの輪郭がうっすらと見えていた。
モルドを経ってから、一か月が経ったんだね。
長いようで短いようで…やっぱり大半は退屈だったけど、着いてしまうと思うとこの退屈な船旅が終わることが、なんだかちょっと名残惜しい気もする。
おかしなもんだね。
「じゃあな。
縁があったら、また会おう。」
「ああ、そうだな。
達者でな。」
同部屋のおじさんに手を振る。
全く知らないおじさんだったけど、ひと月も同じ部屋だったから、それなりに寂しさを感じる。
「今夜は、ここに泊まって、明日の朝出発しよう。」
ところが、困ったことが起きてしまった。
港に着くはずの船が、途中で難破したとかなんとかで、港町は人でごった返していた。
「だめか?」
「はい、どこの宿屋も満員で、金を出すと言っても泊まれません。」
「そうか…仕方がない。
今夜は野宿するしかないか。」
(野宿……)
仕方がないといえば仕方がないけど…
でも、私達はともかく、王子様を野宿させるのは、なんだか申し訳ないね。
しかも、空も曇って来てる。
雨が降らなきゃ良いけど…
みんなの視線の先には、ファーリンドの輪郭がうっすらと見えていた。
モルドを経ってから、一か月が経ったんだね。
長いようで短いようで…やっぱり大半は退屈だったけど、着いてしまうと思うとこの退屈な船旅が終わることが、なんだかちょっと名残惜しい気もする。
おかしなもんだね。
「じゃあな。
縁があったら、また会おう。」
「ああ、そうだな。
達者でな。」
同部屋のおじさんに手を振る。
全く知らないおじさんだったけど、ひと月も同じ部屋だったから、それなりに寂しさを感じる。
「今夜は、ここに泊まって、明日の朝出発しよう。」
ところが、困ったことが起きてしまった。
港に着くはずの船が、途中で難破したとかなんとかで、港町は人でごった返していた。
「だめか?」
「はい、どこの宿屋も満員で、金を出すと言っても泊まれません。」
「そうか…仕方がない。
今夜は野宿するしかないか。」
(野宿……)
仕方がないといえば仕方がないけど…
でも、私達はともかく、王子様を野宿させるのは、なんだか申し訳ないね。
しかも、空も曇って来てる。
雨が降らなきゃ良いけど…