クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
「あ……」

ついに雨が降り出した。
まだ小雨だけど…



「急ごう…!」

私達は、小走りでオルリアン城に向かった。
少し走ったら、すぐにお城が見えて来た。







「良かった。たいして濡れずに済んだな。」

お城に入ると、ネイサンさんが先頭に立って歩き出した。



「こちらに、落ち着ける部屋があります。」

「君はこの城に来たことがあるのか?」

「はい、厨房らしき部屋と、そのそばの部屋しか知りませんが…」

ネイサンさんが向かったのは、ふたりで食事をしたあの部屋だった。



「お座り下さい。
今、何か食べるものを用意致します。」

「俺も手伝うよ。」

ジョシュアさんとネイサンさんは、近くの厨房に向かった。



「思ったよりもまだしっかりしてるな。」

「はい、この城の建造には相当な年月がかかっているそうですから。」

「以前、ここに来たのは何年前だっただろう?」

アルバートさんがオスカーさんと話している間、私はここでのことを思い出していた。



そうだよ…
私が最初に来たのは、ここ…
ここからおかしなことが始まったんだよ。
舞台の途中で…クローゼットの青い光に飛び込んで……



(青……そう…青い光だった……)



そのことが、私の心を激しく揺さぶった。
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