クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
間違いない!
この窓…この廊下…そうあの日のままだ!
ただ、今日は、月の形が丸くないだけ。



その前はどうしたっけ?
立ち止まり、目を閉じて私は記憶の糸を手繰る。



そうだ…扉…
いくつもの扉を開いた。



ランプをかざしながら、廊下を進んで行くと、突き当りに扉があった。
怖いけど…そっと、そのドアノブに手をかけた。



「カンナ…」

「わっ!」



びっくりして、心臓が口から飛び出しそうになった。
振り向いたら、そこにはジョシュアさんがいた。



「ジョ…ジョシュアさん……」

ほっとしても、すぐには動悸は治まらなかった。



「カンナ…こんなところで何をしてるんだ?」

「え…?えっと……その……た、探検です。」

「探検?
へぇ、そりゃあ、面白そうだな。
俺も一緒に行くよ。」

「えっ!?」

都合が悪いような気もしたけれど、ジョシュアさんが一緒なら心強い。
ここに来たことがあるかもしれないってことを言わなきゃ良いんだ。
とにかく、探検してるってことで通せば、問題はないはず。



私はジョシュアさんと一緒に、いくつかの扉を開けて行った。
しばらく行くと、壊れた扉をみつけた。
その時、私の脳裏をかすめるものがあった。
なかなか開かない扉があったことを。
どうやっても開かないからすごく心細くて、泣きそうになって…必死で叩き続けてたら、おかしな音がして扉がはずれて…



(そう…この扉はあの時の扉だ…!)



何かが私の心の中を突き抜けた。


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