クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
カンナは、水差しの水を飲み、吹き出した汗を拭う。
あれしきのことで、あんなに汗をかくとは…
やはり、元々の体力が乏しいということか…
まずは、基礎的な体力を付けることから始めた方が良かったか…



カンナにリチャードのことを打ち明け、リチャードが弟に対してやったことの真似事を始めた。
最初は、本当に昔からの夢を叶えただけに過ぎなかった。
しかし、毎日、カンナと接しているうちに、いつしか、私は彼のことをとても好きになっていた。
出来ることなら、本当の弟にしたいくらいだ。
カンナはうまくいかないことにも、真面目に努力をする。
しかし、それでもうまくいかないと、さっきのようにそこから逃れようとする。
最初はそういうところが、根性がない!と苛ついたものだが、最近は、なぜだかそれを可愛く感じてしまう。
つまり、彼はとても無邪気なのだ。
子供のように、自分の感情に正直なところが、妙に可愛く思えてしまう。
それは、私がしたくても出来なかったことだろうか?



とにかく、彼との時間は今や私にとってなくてはならないものとなっていた。
そう…彼と一緒に過ごすと、とても癒されるのだ。
私を頼ってくれるのも、私にとっては支えのようなものとなっている。
今まで、どこか自分に自信のなかった私が、彼のおかげで自信のようなものを感じられるようにもなっていた。


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