クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?




「オスカー…エドワード王の子が生まれたのは、つまりひと月程前のことなのだな?」

間者には船を与えてある。
定期船がない時にも、急な情報を伝えに来るためだ。
しかし、それでもやはりひと月の日にちはかかる。



「はい、そういうことになります。
モルガーナ城では世継ぎ誕生の祝いの宴が、ひと月続けられ、国民たちにも様々な施しがなされているとのことでした。」

「そうか…確かに、世継ぎの誕生はエドワードとて嬉しいことだろう。
前の王妃との間には、子が出来なかったのだからな。」

「はい、国民も世継ぎの誕生には、たいそう喜んでいるようです。
あ、世継ぎの名前はオズワルドというらしいです。」

「オズワルド……か……」



王妃に似れば、たいそう美しい顔の子供だろう。
もしも、相手がジョシュアでも、エドワードでも、やはり整った顔の子供かもしれない。
場合によれば、私は、そんな子を殺めることになるのだろうか…
いや、顔が整っていてもいなくても、いたいけな子供を手にかけることは辛い。
もちろん、オスカーが自分がやると言ってくれるだろう。
だが、そんなことはさせられない。
これは、オルリアンの王子たる私の役目なのだから。
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