クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?




「アルバート様、カンナ様、おめでとうございます!」

「オルリアン国万歳!」

歓声と拍手に囲まれ、気分が高揚する。
バルコニーから見下ろせば、そこには無数の国民がいて、皆が笑顔で私達を見ている。



(私…本当に結婚したんだ…
お妃様になったんだ…)



さっきまではとにかく、婚姻の儀の作法を間違えないようにって、そればかりでガチガチに緊張してたけど、それが終わってバルコニーに出て来たら、ようやくほっとして…
そして、あらためて今の状況を確認することが出来た。



「カンナ…みんなに手を振って。」

アルバートさんが耳元で囁く。



「は、はい。」

ちょっと恥ずかしいけど、私は小さく手を振った。
この手の振り方だって、ちゃんと習ったんだ。
王族らしい手の振り方っていうものを…



まだ信じられないけど…私、もう王族なんだよね。
ちょっと荷が重いけど、アルバートさんに恥をかかせないように頑張らなきゃ。



(パパ、ママ、ケント…
私、アルバートさんと結婚したよ。
オルリアンの国の王女様になったんだよ…)

雲一つない青い空を見上げながら、私は心の中で家族に報告した。
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