クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?
side カンナ




「そうなんですか、それは心配ですね。
兄は大丈夫なんでしょうか?」

「私もそれを心配しているんだ。
とりあえず、様子を見に、私もモルドに行ってこようと思っている。」

「それなら、私も行きます!」

「何を言っている。
今、モルドがどのような状況なのか、わからないんだぞ。
そんな危険な場所に君を連れて行くわけにはいかない。」

「危険かどうかは行ってみなくてはわかりません。
今日の報告は一か月程前のことですし、これからモルドに行くまでにはまたそれだけの日が掛かるのですよ。
その間にも、状況は変わるのではありませんか?」

「しかし……」

「ご心配は無用です。
アルバートさんの弟のカンナは、それほど強くはなくとも剣術も武道もそれなりにたしなんでおります。」

私がしつこく言ったせいでか、アルバートさんはようやく折れてくれた。
最近は、王女として慎ましく生活していたからか、ひさしぶりに男になるのもなんとなく楽しみだ。



モルドが危険な状態だということはわかってる。
ネイサンさんのことも心配だ。
なのに、不謹慎だけど、怖さよりもなぜだかうきうきした気分を感じていた。
知らないうちに、格式ばった王宮での暮らしでストレスみたいなものがたまっていたのかもしれない。
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