クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国（パラダイス）～これってもしやシンデレラストーリー！？

「ネイサンさん…あの、オルリアンのことを少し教えていただけますか？
お聞きしてたら、何か思い出せるかなぁ？と思いまして…」

「そうだな、そういうこともあるかもしれない。
私はファーリンドの者ではないから、そう詳しくはないが…
ファーリンドの中で一番大きな国土を持ち、しかも、資源も豊かな美しい国だということだ。
サミュエル王が支配している。
戦を好まない穏やかな王だと聞いている。
息子のアルバート王子は、勇敢でなかなかの切れ者らしい。」



どうしてだろう？
ネイサンさんは、聞いた話だとはいえ、明らかにオルリアンの国のことを知っている。
でも、ここがオルリアンであるはずがない。
ここは、あの世とこの世の狭間の世界なんだもの。



「あの…ネイサンさんは、モルガーナの出身なんですよね？
ファーリンドに来られたのは今回が初めてなんですか？」

「そうだ。
私は、元々、兵士になどなりたくはなかった。
だが、私が得意なものといえば、剣術くらいのものだから、兵士くらいしか仕事がなかったんだ。
今は国内での戦はないし、毎日訓練さえしていれば、食いっぱぐれることはないからな。
しかし、そんな暮らしにもだんだん嫌になって来て…
思い切って、ファーリンドに来ることに決めた。
こちらは、平和で住みやすい国が多いと聞いたからな。」