クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?




「カンナ…
おそらく数日で戻れるとは思うが、万一、一か月経っても私達が戻らなかったら…君はひとりでファーリンドへ戻るんだ。……良いな?」

いつものように、並んだベッドで横になっていた時、急にネイサンさんが私に話しかけた。
ネイサンさんは、私がまだ眠ってないことに、気付いていたみたい。



「えっ!?ど、どういうことですか?」

「心配はするな。
そんなことには、まずならない。
あくまでも、『万一』ということだ。」

そう言ってネイサンさんは笑ったけれど、その笑い声がなんだか不自然に思えた。
どんどん大きくなっていく胸騒ぎ…
きっと、皆は危ないことをしようとしている。
その予想は、確信に変わっていた。



どうしよう…!?
本当に、三人が戻って来なかったら…



いやだ!そんなこと、絶対にいや!



「ネイサンさん…私も一緒に行くことは出来ないですか?
あ、あの…私、ご迷惑になるようなことはしません。
ただ、一緒に行くだけで良いんです。」

「カンナ……それは出来ない。
私達を信じて…待っていてくれ。」

部屋が暗いから、ネイサンさんの表情はわからないけど…
きっと、辛そうな顔なんじゃないかな?
ネイサンさんは知ってるんだね。
アルバートさんがなにをしようとしているのかを…
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