彦丸の孤盆休み
七日目
M 今日でお盆の休みもおしまい
長かった
結局 何もせず
いつものこと
なんとも 不健康で
罰当たりな過ごし方
何もせず とは
過ぎ去った今は
取り戻せないし 二度と
過去に巡り会うこともない
少し 反省 そして自己嫌悪
とはいえ 何もしないも
自分が消費した時間
そういえば
世界中 あらゆるところで
様々に消費された時間は
いったい
どこに消えていったのだろう
時間は
どこで生まれたのだろう
すべてが生まれ消えていく
この法則が この世の
あらゆる全てのものに
当てはまるとしたら
きっと 時間だって
例外ではないだろう
この世界の
どこか そこで生まれたはず
時間のはじまりは
気になるところだが
これ以上 調べる気力も
興味も持続できない
ここが
私らしい いい加減さの
限界
今夜は 送り盆
迷わぬように ロウソクを灯し
亡き父や母 ばあちゃんや
身内と愛犬を送るとしよう
いつもなら 何もしないが
今年 これだけが
昨年と違うところ
何を 思ったのか
自分でも あまり理解してはいない
なんとなく 今年は
命ということが いつもより重い
いつ逝ってもおかしくない
そういう年齢に向かいつつある
だからなのだろうか?
それに 現代は
いつどこで 死に直面するか
わからない いつも
危機と隣り合わせの時代
家にいて助かることも
外出して危険に遭遇も
死ぬまで生きる
その時まで
すべてが未知数
その日まで
いっぱい傷ついて 凹んで
疲労困憊し もがきにもがいて
終わるべきだ
簡単に逝っていいはずがない
それだけ
多くの命をいただいて
生きてきているのだし
いただきます それは
命を渡され預かったということ
持ってくしかない
拒否したら 食べられない
そういうことなのだろう
やっぱり 裸は気持ちいい
身につけた瞬間
鎧をつけたような
そんな気になる
とても鬱陶しい でも
明日からは
その鎧をつけっぱなし
憂鬱で仕方がない
そろそろ
ろうそくを灯し
見送りだ
お元気で またいつか
近いうちに
会いましょう