私の上司は、イケメン住職様!?~9/19に大幅修正済み~
「怖がらなくても大丈夫だよ。
この人は、俺の祖母で数少ないイタコだ。
そして…俺と同じ千里眼を持っている」
課長は、クスッと笑うと
そう言って教えてくれた。えぇっ!?
頭の中が混乱してしまった。
えっと……つまりこの方が、課長のお祖母様で
い、イタコ?イタコってアレよね?
霊を憑依させたりする巫女さんみたいな人。
イタコなんて……今まで怖いだけで
インチキか作り話だと思っていた。なのに……。
今、私の目の前に居る。
しかも、課長と同じ千里眼を持って…。
頭の中を必死に整理させるが余計にパニックになった。
こ、こんな事ってあるの!?
「おやおや、どうやら頭の中が混乱しているようだね。
無理もない。イタコなんて今だと数人しか居ない。
その存在も危ういしねぇ…」
ビクッと肩が震えた。
そうだった…千里眼を持っているという事は、
心の中まで丸見えだわ!?
そう気づくと身体中が余計に熱くなる。
失礼な事を言ってしまったわ。
「すみません……失礼な事を」
「おや。素直に謝るとは、いい子だねぇ…。
ゆっくりしておくといい。お茶を淹れようかねぇ」
「お祖母様。ゆっくりして行きたいのは、
やまやまなのですが…早く戻らないと。
お寺の掃除がありますし
父さんに叱られてしまいます。
できれば早めには用件を済ませたいのですが」
課長のお祖母様が立ち上がろうとすると
課長がそう言ってきた。
用件?お祖母様に会わせたかっただけじゃあ?
理由が分からず首を傾げた。
「それなら仕方がないね。まどかさん。
龍心は、あなたに母親に会わしたいと言っていてね」
母親?か、課長のお母様に!?
あれ、でも……。
課長のお母様って幼い頃に亡くなられたのでは?
会わせるも何も…あっ!!
そうだった。課長もお祖母様も霊感があるのだったわ。
なら、ゆいかと同じように…?
「どうやら、気づいたようだね。
しかし、龍心がやったのと少し違う」
意味深い発言をするお祖母様だった。