ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「酢、油、塩、少しの砂糖と胡椒。これが基本のドレッシングなんですけど、今日は風味づけにおろしたにんにくと砕いた硬いチーズを入れますね」

 それから、鍋で簡単な野菜スープを作り、すでに昨日と同じ厚さにスライスされてあったベーコンを、薄く油を引いたフライパンに並べる。

「さあ、次は姉さんが焼いてみてください」

「わかったよ」

 ミメットは、焦がさずに、ベーコンの表面をこんがりと美味しそうに焼いて、皿に盛り付けていった。その間に、エリナは卵をボウルに割り、塩こしょうを振ってミルクを加えた。

「姉さんが優秀だから、今日はスクランブルエッグにしますね。作り方を見て覚えてください」

 エリナは、ベーコンを焼き終えたフライパンに卵液を流して、木のフォークでくるくると混ぜながら半熟に仕上げた。

「あまり固くならないように、早めに火を止めるのがコツです」

 そして、出来上がったスクランブルエッグを皿に盛ると、籠に入ったパンや、野菜スープと一緒に、騎士たちがテーブルへと運んだ。

「それじゃあ、みんなでいただきましょうね。ええと、ありがたき(かて)を!」

「ありがたき(かて)を!」

 エリナが言うのに合わせて、皆も唱和し、できたての美味しい朝ごはんを楽しんだのであった。
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