ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 すっかりランチの準備が整ってひと息ついていると、ギルバートがやってきた。

「ギルおじいちゃん、いらっしゃいませ」

「ふおっ、エリナよ、エプロン姿がなんとも可愛いのう」

 出迎えたエリナを見るなり相好を崩したのは、もはや『孫娘にメロメロ状態』のギルバートだ。

「うむ、良いものが見られて満足じゃ」

 ギルバートがエリナの頭を撫でていると、背後から声がかかった。

「祖父殿、満足してないで早く入ってください、後ろがつかえてますから」

 若い男性の声を聞いたルディは顔を痙攣(ひきつ)らせた。

「おい、まさか」

 そして、ギルバートの後ろから入って来た人物の顔を見て「ああ……」と奇妙な表情になった。

「兄上、お久しぶりです。お元気そうでなによりです」

 ギルバートについてきて、笑顔で挨拶をしたのは、金髪にアイスブルーの瞳をした見目麗しき若者だった。その頭には、狼の耳がついている。

(兄上? ルディの弟さん? なんだか『お坊っちゃま』っぽいかも。それに……耳だけなんだ……)

 エリナは、彼が狼の顔をしていないので、少しがっかりした。
 イケメンよりもモフモフを求めるところが、モフモフスキーとしての正しい在り方なのだ。
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