ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 大きな袋を持った若者を見て、ルディは「『お久しぶりです』じゃないだろう。フラン、なんでお前まで来たんだ? もしやなにかを企んでいるのか?」と真顔で言った。

「酷いなあ、可愛い弟が兄上の(うち)に顔を見にきただけなのに」

「ここは食堂であって、俺の家ではない」

「でも、祖父殿が来るとなったら、兄上も絶対にいるでしょ?」

 非常に整った顔の若者がにっこりと笑うと、まるで光を放つようだった。

「ふぉっ、ふぉっ、ちょうど良い荷物待ちになるのでな、同行を許したのじゃ」

「お嬢さん、こんにちは。荷物持ちです」

 笑顔で自己紹介(?)をするフラン青年を見たエリナは(うわあ、すごいイケメン! サファンさんもヴォラットさんも、アイドル並みのイケメンだけど、この人は……ハリウッドスターレベルの美形さんだなぁ……)と、若者の顔をじっと見た。

 そして、来客たちを見た途端にその場で固まったミメットは「荷物持ち……フランセス殿下が荷物持ち……で、『青弓亭』でお昼ごはん……」とこわばった顔で呟いた。
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