ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

「じゃあ、ミメット姉さん、一緒に焼きましょう」

「あ、ああ」

　エリナとお揃いのエプロン姿でキッチンにいたミメットが返事をすると、フランが「おや？」と言った。

「あなたはもしや『旋風のミメット』さんではありませんか？」

「『旋風のミメット』じゃと？」

　ギルバートもミメットの顔を見て「これは失敬！　あまりにも可愛らしい姿をしてあったので、すっかり見誤っていたのじゃが、確かに『旋風のミメット』ではないか！」と言った。

「今までは勇ましいお姿しか拝見していなかったものですから、わたしも今気づきました。エリナ嬢とお揃いのその服装も非常にお似合いですよ」

「ええと、あの、はい、わたしはミメットです」

　キジトラ猫のミメットは、ふたりの男性の言葉に顔を赤くして、蚊の鳴くような声で「ありがとうございます」と言い、「は、恥ずかしい！」と再びキッチンに引っ込んでしまった。

　そしてエリナは（うわあ、ギルおじいちゃんもルディのお兄ちゃんも、結構な『たらし』みたい。でもって、ミメット姉さんは、カッコいい二つ名を持つ剣士だったんだね）と、生温かい目でテーブルについた今日の客を見守るのであった。