ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 さて、翌日。
 国王からの直々の招待に逆らうことはできないミメットとエリナは、店を1日休みにして王宮へ向かう支度をした。
 昼頃に迎えの馬車が到着し、ルディが付き添ってくれる手筈になっている。

「こんな綺麗な服、あたしに似合ってるのかなあ……」

 躊躇(ためら)いながらワンピースドレスを着たミメットの姿を見て、エリナは「うわあ、姉さん、とっても可愛いです!」と褒めた。

「靴も服も、とてもお似合いですよ」

「なんだか照れくさいね。エリナもよく似合ってる」

「ありがとうございます」

 濃いブルーに黒髪、そして白い耳が可愛らしくて、今日は少しだけお上品な猫に見えた。

「よそ行きの服を着るのって、楽しいですね」

「そうだね。なんであたしたちの服のサイズを知っているのかとか、腑に落ちない点もあるけれど、このワンピースに免じて今日のところは勘弁してやるかな」

 ミメットの瞳がきらりと光った。
 王都に放たれた間者は、危ないところで命拾いをしたようだ。

 髪をいつものように後ろでひとつ三つ編みにしたミメットは、エリナとお揃いのワンピースを着て嬉しそうだ。

「本当なら、料理を教えてもらったあたしまで行くのは筋違いなんだろうけどね」

「なにを言っているんですか、ミメット姉さんがいないと、ハンバーグは作れませんよ!」

 刃物の扱いに長け腕力もあるミメットの、肉をミンチにする技がなかったら、とてもじゃないけれどハンバーグ作りは無理である。
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