ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「ごめんなさい、わたしったら変なことを言ってしまって……」
「謝らなくていい。エリナ、大丈夫だ、大丈夫だからな」
ルディは再びエリナを抱き取ると、震える子猫を抱きしめた。
「いつも笑顔で前向きなエリナがそんなことを言い出すのは、俺たちに心を開いてくれたからじゃないのか?」
そう言われて、エリナははっとした。
(わたしったら、ルディさんやミメットさんや、優しくしてくれる王家の皆さんたちに甘えて、つい心の奥にあったことを出しちゃったんだ。恥ずかしい……)
今度は真っ赤になったエリナに、ルディは優しく言った。
「嫌なことは思い出すな、というのは無理かもしれない。でも、不安な気持ちになったらひとりで我慢せずに、俺たちに甘えていいんだ。お前はもうひとりぼっちではなくて、『青弓亭』のエリナなんだからな」
思いがけずにエリナの心の闇を覗いてしまった王家の人たちは(この子猫は、今まで誰にも守られず、予想以上の苦労をして生きてきたらしい。こんなに幼く良い子猫なのに……)と、不憫に思い、胸にこみ上げる感情を抑え込むのに苦労した。
そして、この世界でただひとりのフェンリルという存在であるカルディフェン第一王子が、彼女に特別な想いを抱いていることに納得した。
しっかりしているように見えるエリナが持つ『危ういなにか』を、ルディも持っている。彼らはそう感じているのだ。
常日頃からエリナを見守るルディは、彼女の過去が厳しいものであったことに薄々気づいていた。そして、それを癒してやりたいと思っていた。
(不思議な出会いだったし、どこからやって来たのかわからないが、エリナは決して悪い子ではない。悪いどころかむしろ、いつも過分なほど努力をして、一生懸命に生きる健気な猫だ。しかも、幼い身なのに、他の者に対して思いやりの心も持っている。俺は、そんなエリナのことを守って幸せにしてやりたい。エリナはこの世界でひとりぼっちで生きているわけではないことを、教えてやりたい)
「謝らなくていい。エリナ、大丈夫だ、大丈夫だからな」
ルディは再びエリナを抱き取ると、震える子猫を抱きしめた。
「いつも笑顔で前向きなエリナがそんなことを言い出すのは、俺たちに心を開いてくれたからじゃないのか?」
そう言われて、エリナははっとした。
(わたしったら、ルディさんやミメットさんや、優しくしてくれる王家の皆さんたちに甘えて、つい心の奥にあったことを出しちゃったんだ。恥ずかしい……)
今度は真っ赤になったエリナに、ルディは優しく言った。
「嫌なことは思い出すな、というのは無理かもしれない。でも、不安な気持ちになったらひとりで我慢せずに、俺たちに甘えていいんだ。お前はもうひとりぼっちではなくて、『青弓亭』のエリナなんだからな」
思いがけずにエリナの心の闇を覗いてしまった王家の人たちは(この子猫は、今まで誰にも守られず、予想以上の苦労をして生きてきたらしい。こんなに幼く良い子猫なのに……)と、不憫に思い、胸にこみ上げる感情を抑え込むのに苦労した。
そして、この世界でただひとりのフェンリルという存在であるカルディフェン第一王子が、彼女に特別な想いを抱いていることに納得した。
しっかりしているように見えるエリナが持つ『危ういなにか』を、ルディも持っている。彼らはそう感じているのだ。
常日頃からエリナを見守るルディは、彼女の過去が厳しいものであったことに薄々気づいていた。そして、それを癒してやりたいと思っていた。
(不思議な出会いだったし、どこからやって来たのかわからないが、エリナは決して悪い子ではない。悪いどころかむしろ、いつも過分なほど努力をして、一生懸命に生きる健気な猫だ。しかも、幼い身なのに、他の者に対して思いやりの心も持っている。俺は、そんなエリナのことを守って幸せにしてやりたい。エリナはこの世界でひとりぼっちで生きているわけではないことを、教えてやりたい)