ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「隊長ばっかり、ずるい!」

「そんな……気持ちよさそうに……ずるい」

 サファンとキーガスが、じとっとルディを見ながら抗議した。

「だって、隊長さんは狼だから」

 いくら耳が付いていても、成人男性の髪をわしゃわしゃとはしたくないので、エリナは言った。

 しかし。

「それなら、俺だって狐だもん」

「……俺は……虎だから……」

 なんと、エリナの目の前で、サファンの肩から上は狐に、そしてキーガスの肩から上は立派な虎の姿になってしまったのだ。

「これならいいでしょ? ほら、エリナちゃん、もう俺たちは友達じゃん! 仲良しじゃん!」

「俺は……虎の警備隊員として……猫の身の安全を、守る役目だ……特に、子猫の安全は……」

 ふたりとも大変なアピールだ。
 ふれあい動物園に、餌をたくさん買って入ってしまった時のようだ。

 そして、目の前にふたつのモフモフが差し出されたエリナは……当然のことながら「ひゃっほう!」と奇声をあげながら、危険なモフモフスキーと化して狐と虎をモフりまくったのであった。
< 35 / 209 >

この作品をシェア

pagetop