ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
(なにをどうしたら、こんな物ができあがっちゃうの?)

 エリナが男性たちを見ると、彼らはがっくりと肩を落としている。どうやらこれは、予想通りの結果らしい。

「エリナは、俺が表面を削ってやるから、火の通っていそうな所を食べろ」

 ルディは、エリナを椅子に座らせてからナイフを取り出すと、ベーコンだったものの炭をこそげ落とした。

 見ると、狐も虎もナイフを取り出している。

(食堂に来るのにマイナイフを携帯してくるって、おかしいよね!)

 エリナは、外は真っ黒で中が生のベーコンを見て残念な気持ちになった。

 日本のベーコンはきちんと加熱してあるから生で食べても大丈夫なのだが、この世界の物はどういう製法なのかわからないので、生だとお腹を壊す危険がある。

(これは……勿体なすぎるよ、せっかくの美味しそうなベーコンが……こんがり焼いたら、じゅわっと旨味が染み出す美味しいベーコンが! ああっ!)

 切り詰めた生活をしてきたエリナにとって、ベーコンの塊は貴重なご馳走なのだ。

 彼女はぐっとこぶしを握った。
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