ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

　フライパンは、ミメットの怪力ですっかり磨き上げられてピカピカになり、魔導コンロの上に置かれた。

「で、油はありますか？」

「ええと……ちょっと今は切らしていて……」

「わかりました」

　エリナはまな板がわりの大きな木の板の片隅にベーコンを置き、まずは表面の脂を切り落とした。そして、脂身だけをまだ火が付いていないフライパンに入れた。

「ミメットさん、こうやってあらかじめ低温で脂を温めます」

　コンロに一番小さな火をつけて、ゆっくりとベーコンの脂を温めていくと、やがてジュクジュクと油分が染み出してきた。
　その横で、エリナはベーコンを少し厚めに切る。

「卵やお野菜はありますか？」

「あるよ」

　籠に入った卵とトマトが、どうやら魔導冷蔵庫らしい箱から取り出された。
　エリナは包丁を洗うと、木の板の端でトマトを櫛形に切った。

「お肉とお野菜は、絶対にくっつけちゃ駄目ですよ。生で食べるものと火を通さなければならないものはくっつけちゃいけないんです。調理器具も洗ってくださいね。次はお皿をください」