ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

　エリナはスープの味をみて「これでよし」と頷いた。
　当初の『限定１０食』よりも大量の食材が準備されて、これでお腹を空かせた騎士がやって来ても大丈夫なはずだ。

「さあ、これで開店を待つばかりですね」

「そうだね。エリナはそこに座っておいで。あたしが美味しいお茶を淹れてやるからね」

　エリナはミメットから小さな砂糖菓子を貰い、いい子で椅子に座ってこりこりと良い音を立てて食べた。

「甘いにゃ……美味しいにゃ……」

　程よく焦がした香ばしい砂糖菓子は、今まであまりお菓子が食べられなかったエリナにとってはご馳走だった。
　口の中に広がる優しい甘さにほっこりして、嬉しくてにこにこしながら砂糖菓子を食べるエリナを、ミメットは優しい目で見守った。

「そうしていると、普通の小さな子猫なんだけどね。エリナは不思議な子だね」

　子猫の手にもうひとつ砂糖菓子を握らせて、ミメットはエリナの頭を撫でた。白い耳の子猫はむふんと笑ってゴロゴロと喉を鳴らした。