ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
「はいよ、カツレツ定食大盛り二丁だね!」

 ミメットが返事をして、カツレツ用に処理してあった豚肉に小麦粉を付け、卵液にくぐらせてパン粉をまぶした。6枚作ると、2つ並んだフライパンに3枚ずつ入れて、熱くなった油で揚げ焼きしていく。

 大盛りをメニューに入れたので、揚げ物用にフライパンをひとつ増やしたのだ。これで一度に2人前のカツレツが揚げられる。

 覚えの良いミメットが、危なげなくカツを揚げているのを確認したエリナは、お皿をふたつ並べて野菜を盛り付ける。そして、そこにパンをふたつ添えた。

 エリナがミルクスープを盛り付けていると、『火は最後だけ強くする』というエリナの教えを忠実に守ったミメットが、見事にカラッと揚がったカツを切って、皿に盛りつけた。
 そして、お客の隊員に声をかける。

「ごめん、今夜は手が足りないんだ。各自で持って行ってもらえるかな」

 さっそくセルフサービス方式だ。カウンターに出た大皿とスープ皿を、サファンとキーガスが「うわ、すごく美味しそう!」とわくわくしながらテーブルに運んだ。

「なにこれ美味しーっ!」

 ひと言叫ぶと、本当にお腹が空いていたらしいサファンは、あとはものも言わずにカツレツを食べた。キーガスに至っては、まったくの無言である。だが、カツ、そしてミルクスープにつけたパンと、明らかに夢中になって食べている。

 ふたりが美味しそうに食べる様子を見て、エリナとミメットはほっとして顔を見合わせた。
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