ねこねこ幼女の愛情ごはん～異世界でもふもふ達に料理を作ります！～

　黒豹と熊は無口なようで、キッチンの中で働くふたりの様子を無言で伺っている。お喋りな狐のサファンは食べるのに忙しいので、静かな店内は『ムキムキけも耳男』たちで奇妙な雰囲気だ。

「はい、お皿の用意はできてます」

「エリナ、この揚げ加減でいいかなあ」

「うん、ばっちりいい感じに揚がってます。なあんだ、ミメット姉さんは料理の才能があるじゃないですか」

「そうかな？　あはは、あんまり持ち上げないでよ」

　サク、サク、サク、と、揚げたてでちりちりいっているカツレツが切られ、皿に盛られて野菜のソースをさっとかけられた。エリナもミルクスープとパンの用意をする。

「はいよ、カツレツ定食大盛り二丁、あがったよ。悪いけど今日からこの店は自分で配膳してもらうことになったからね。エリナ、なんだっけ？」

「セルフサービスですよ」

「そう、その『セルフサービス』なんだ。そのかわり、エリナに料理を教えてもらって、毎日美味しいものを出せるようにするからさ」

　ミメットの言葉に、犬のマイクと黒豹のヴォラット、熊のアルデルンも頷いた。