ねこねこ幼女の愛情ごはん~異世界でもふもふ達に料理を作ります!~
 警備隊の騎士たちが満足して帰路についたので、安心したエリナはルディに抱き上げられて帰っていった。

「あれ? ルディさん、わたし歩けますよ?」

 自然に手が狼の首をモフモフっと掻いてしまいながら、エリナは言った。

「下ろしてください」

「いや、夜道は迷子になりやすいから駄目だ」

 エリナは(過保護じゃないかな)と思ったが、小さなエリナがちょこちょこ歩くより、背の高い狼隊長の長い脚で歩いた方が進むスピードが断然早いので、エリナはおとなしく抱っこされていくことにした。

「あ、月が見える! わあ、黄色い月と青い月とふたつある!」

 この世界は、地球とは天体が違っているようだ。
 ルディも空を見上げて美しく輝く月を見た。

「そうだな。一の月も二の月も満月で、明るい夜だな。こんな夜は、妖精の祝福があると言われている」

「そうなんですね」

 優しいルディに抱き上げられながら、エリナはふたつの月に向かって『祝福をありがとう、親切な妖精さんたち』と心の中でつぶやいた。
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