花のようなる愛しいあなた

最後はほぼ全員による男女対抗の綱引きが行われた。
男は力が強いが、女性は男性の約20倍もの人数が居る。
女性陣の圧勝であった。
こうして剣技大会という名の運動会は楽しく終了したのだった。
勿論、今回活躍した者たちには秀頼から褒美が取らされた。

大野治長は剣技大会でのみんなの動きを見て満足したように頷いた。
一応豊国大明神に奉納したという形を取ったレクリエーションの一環のような行事ではあったが、一方で一種の軍事演習のような側面もあった。
才能がある者を発見できたり、不足している技術を再発見できたり色々と収穫があった。
大坂城の軍隊が今後ますます成長していくにはどうすればいいか治長は計画を練っていた。
最近外交やら城の普請やらに精力を注いている徳川家がいつ豊臣家に軍事圧力をかけてくるかわからない。
何事もないに越したことはないが、準備と用心だけはしておくべきであろう……。