花のようなる愛しいあなた
秀頼が京都にやって来たという噂を聞きつけた京の町人たちが集まっていた。
「やっぱり秀頼様だ!」
「何とお美しい!」
「お噂通りだ!!」
何という人の数だろう。
秀頼はびっくりしたが、家康は気に留めることもなく冷静に秀頼を誘導する。
お祖父様は慣れていらっしゃるんだな、さすがだな。
「では、また近々お会いいたしましょうぞ。
今日は楽しうございました」
「こちらこそありがとうございました。
次回はぜひわが城にもおいで下さいませ」
「そうじゃな、お千も交えて話がしたいものじゃ」
「それでは失礼致します」
秀頼は頭を下げた後、駕籠に乗り込む。
加藤清正はそれを警護するため共に付き添った。
家康はそれを見えなくなるまで見送る。
「秀頼様、暫く御簾を上げたままにしておきましょうか」
加藤は秀頼に町人たちの様子を見せてくれた。
「うん、ありがとう」
大坂城にいる侍従たち、それ以上にキラキラした眼で皆が自分を見てくれるのがわかる。
不思議な感じだ。
「秀頼様~~~っ!!」
一際大きな声援に秀頼は思わず振り向き微笑んだ。
「きゃぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
「かっっこいいいいっっ!!!」
「なんて…なんてお美しいのかしらっ!」
途端に大騒ぎになった。
立派な体格。
しなやかに伸びた肢体。
見目麗しい顔立ち。
凛とした佇まい。
穏やかで優しいその微笑みの奥に
芯の通った強さがみえる。
力強い体躯からは生命力が溢れ
表情からは自信と希望に満ち溢れた様子が見て取れる。
一方でどうだろう。
徳川家康は古希を迎える。
年齢の割には腰も曲がらず肌艶も良い。
しかし権力に固執しようとする怨念のような醜さは隠しきれていない。
市民は秀頼に希望を見出した。
「花も霞むような美しい秀頼」を一目見ようと大勢のギャラリーが集まった。
「押さないでください!」
「この線まで下がってください!」
京都を警備する京都所司代の役人や福島や加藤の私兵たちは事故が起こらないように誘導やら導線の確保に当たることになった。
「戦禍で廃墟と化した京をこんなにキレイにしてくれたのは豊臣だ!」
「秀頼様、ありがとうございます!」
「豊臣家、万歳!!」
「豊臣家、万歳!!!」
歓声を聞きつけた人がまた集まってくる。
「こんなに歓迎されてるなんて、思ってもみなかった…」
秀頼は驚きつつも感激して群衆に手を振って応えた。
市民達もその姿を見てますます湧き立った。
「豊臣、万歳!豊臣、万歳!!」
万歳コールは鳴り止まず、泣き始める者まで出始めた。
「やっぱり秀頼様だ!」
「何とお美しい!」
「お噂通りだ!!」
何という人の数だろう。
秀頼はびっくりしたが、家康は気に留めることもなく冷静に秀頼を誘導する。
お祖父様は慣れていらっしゃるんだな、さすがだな。
「では、また近々お会いいたしましょうぞ。
今日は楽しうございました」
「こちらこそありがとうございました。
次回はぜひわが城にもおいで下さいませ」
「そうじゃな、お千も交えて話がしたいものじゃ」
「それでは失礼致します」
秀頼は頭を下げた後、駕籠に乗り込む。
加藤清正はそれを警護するため共に付き添った。
家康はそれを見えなくなるまで見送る。
「秀頼様、暫く御簾を上げたままにしておきましょうか」
加藤は秀頼に町人たちの様子を見せてくれた。
「うん、ありがとう」
大坂城にいる侍従たち、それ以上にキラキラした眼で皆が自分を見てくれるのがわかる。
不思議な感じだ。
「秀頼様~~~っ!!」
一際大きな声援に秀頼は思わず振り向き微笑んだ。
「きゃぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
「かっっこいいいいっっ!!!」
「なんて…なんてお美しいのかしらっ!」
途端に大騒ぎになった。
立派な体格。
しなやかに伸びた肢体。
見目麗しい顔立ち。
凛とした佇まい。
穏やかで優しいその微笑みの奥に
芯の通った強さがみえる。
力強い体躯からは生命力が溢れ
表情からは自信と希望に満ち溢れた様子が見て取れる。
一方でどうだろう。
徳川家康は古希を迎える。
年齢の割には腰も曲がらず肌艶も良い。
しかし権力に固執しようとする怨念のような醜さは隠しきれていない。
市民は秀頼に希望を見出した。
「花も霞むような美しい秀頼」を一目見ようと大勢のギャラリーが集まった。
「押さないでください!」
「この線まで下がってください!」
京都を警備する京都所司代の役人や福島や加藤の私兵たちは事故が起こらないように誘導やら導線の確保に当たることになった。
「戦禍で廃墟と化した京をこんなにキレイにしてくれたのは豊臣だ!」
「秀頼様、ありがとうございます!」
「豊臣家、万歳!!」
「豊臣家、万歳!!!」
歓声を聞きつけた人がまた集まってくる。
「こんなに歓迎されてるなんて、思ってもみなかった…」
秀頼は驚きつつも感激して群衆に手を振って応えた。
市民達もその姿を見てますます湧き立った。
「豊臣、万歳!豊臣、万歳!!」
万歳コールは鳴り止まず、泣き始める者まで出始めた。