花のようなる愛しいあなた

◇一枚岩◇

家康は実は迷っていた。
そこまでする必要はあるのか、と。
しかし、
家康の覚悟は決まった。

仕方ない…。
もう、わしの手でやるしかないーーーーー。


4月12日。
朝廷では後水尾天皇の即位式が厳かに執り行われた。
家康や各大名家も勿論参列し、新たな天皇の誕生を改めて喜んだ。
その式典の帰り家康はそこに居た在京の大名たちを二条城に集め呼びかけた。
「皆の者!
主上が代替わりした今、我らが一枚岩となり
お支えすることが肝要じゃ!
幕府と共に主上をお支えし天下静謐に協力していただけるか!」
「応!!!」
「では、皆の意気込みと気持ちを知りたいのじゃ。
こちらの誓詞にご署名いただけるか?」
そこには、
『今後何があろうとも幕府の命令には背きません』
という内容が書かれていた。

皆が凍りつく。
いよいよその時が近づいている…。
誰もがそんな予感を感じ取った。
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