花のようなる愛しいあなた
秀頼が去った後、多喜は溜息を漏らす。
「本当に優しい子だわねぇ…」
千姫は多喜に尋ねる。
「ねぇ、たき、にほんで一番えらい人はひでよりくんなの?
それともおじいちゃんなの?
おじいちゃんは、ひでよりくんの家来なんだよね?」
「えっとですね…」
位階制度といって、古くから日本では天皇が定めた階級序列の制度があった。
上から
正一位(神レベル)
従一位(生きてる人間で最高位)
正二位
従二位
正三位
従三位
正四位上
正四位下
従四位上
従四位下
正五位上
正五位下
従五位上
従五位下
正六位上
正六位下
従六位上
従六位下
と、このような感じで30段階の位が存在している。
同じ階級の中でも正が上、従が下となる。
五位以上の者は、殿上人と呼ばれ、宮廷の中に入ることができる。
六位以下の者は地下人と呼ばれる。庭で片膝をついて跪いている家臣はこの地位にあたる。
武士の時代になり、武士の有力者にも官位が与えられるようになった。
武家が朝廷と交渉ごとを行う際に家臣を派遣する。
宮廷に上がれないことには不便なので、大名たちは自分の家臣に官位を与えるように要請するようになった。
なので、殿上人の最低ランクである従五位の下が最も出回る官位であった。
特に秀吉はこの位階制度を気に入って、自分も階級を上げることに精を出したし、恩賞として家臣や大名たちにどんどん官位を与えた。
官位を与えると一定の手数料が朝廷に入るため、朝廷もどんどん官位を発行した。
三位より上のランクは、なれる人の数も決まっているのでありがたみが違う。
慶長9年段階ではこのようにランキングされていた。
徳川家康 従一位 征夷大将軍
豊臣秀頼 正二位 内大臣
徳川秀忠 従二位 右近衛大将
「じゃぁ、ひでよりくんはおじいちゃんの家来なの?」
ストレートな問いに多喜は慌てて千姫の口を塞いで小声で言う。
「しっ!
滅多なことを言うではありませんよ、姫様。
そこが問題なのでございます。
元々、おじいさまは豊臣家の家臣でございます。
おじいさまは秀頼さまが成人されるまでの間、代わりに政務を行っておられるのです。
ですので、ゆくゆくは秀頼さまに政権を返されることになって…」
多喜の言葉の歯切れが悪くなる。
「…おります…」
しかし本当に政権を返上するだろうか?
どう見ても徳川は江戸に盤石な勢力基盤を作っている真っ最中である。
千姫はよくわからないような顔をしてしばらく悩んでいたが、思いついたように明るい顔で言った。
「わかった!
私がひでよりくんとけっこんしたから、とくがわととよとみは一つになって、ぜんいんえらくなればいいんだよ!」
多喜は千姫の頭を撫でながら言う。
「その通りです。それが両家の懸け橋になるってことですよ。
姫様にしかできないことです。
頑張りましょう!」
「うん!!!」
「本当に優しい子だわねぇ…」
千姫は多喜に尋ねる。
「ねぇ、たき、にほんで一番えらい人はひでよりくんなの?
それともおじいちゃんなの?
おじいちゃんは、ひでよりくんの家来なんだよね?」
「えっとですね…」
位階制度といって、古くから日本では天皇が定めた階級序列の制度があった。
上から
正一位(神レベル)
従一位(生きてる人間で最高位)
正二位
従二位
正三位
従三位
正四位上
正四位下
従四位上
従四位下
正五位上
正五位下
従五位上
従五位下
正六位上
正六位下
従六位上
従六位下
と、このような感じで30段階の位が存在している。
同じ階級の中でも正が上、従が下となる。
五位以上の者は、殿上人と呼ばれ、宮廷の中に入ることができる。
六位以下の者は地下人と呼ばれる。庭で片膝をついて跪いている家臣はこの地位にあたる。
武士の時代になり、武士の有力者にも官位が与えられるようになった。
武家が朝廷と交渉ごとを行う際に家臣を派遣する。
宮廷に上がれないことには不便なので、大名たちは自分の家臣に官位を与えるように要請するようになった。
なので、殿上人の最低ランクである従五位の下が最も出回る官位であった。
特に秀吉はこの位階制度を気に入って、自分も階級を上げることに精を出したし、恩賞として家臣や大名たちにどんどん官位を与えた。
官位を与えると一定の手数料が朝廷に入るため、朝廷もどんどん官位を発行した。
三位より上のランクは、なれる人の数も決まっているのでありがたみが違う。
慶長9年段階ではこのようにランキングされていた。
徳川家康 従一位 征夷大将軍
豊臣秀頼 正二位 内大臣
徳川秀忠 従二位 右近衛大将
「じゃぁ、ひでよりくんはおじいちゃんの家来なの?」
ストレートな問いに多喜は慌てて千姫の口を塞いで小声で言う。
「しっ!
滅多なことを言うではありませんよ、姫様。
そこが問題なのでございます。
元々、おじいさまは豊臣家の家臣でございます。
おじいさまは秀頼さまが成人されるまでの間、代わりに政務を行っておられるのです。
ですので、ゆくゆくは秀頼さまに政権を返されることになって…」
多喜の言葉の歯切れが悪くなる。
「…おります…」
しかし本当に政権を返上するだろうか?
どう見ても徳川は江戸に盤石な勢力基盤を作っている真っ最中である。
千姫はよくわからないような顔をしてしばらく悩んでいたが、思いついたように明るい顔で言った。
「わかった!
私がひでよりくんとけっこんしたから、とくがわととよとみは一つになって、ぜんいんえらくなればいいんだよ!」
多喜は千姫の頭を撫でながら言う。
「その通りです。それが両家の懸け橋になるってことですよ。
姫様にしかできないことです。
頑張りましょう!」
「うん!!!」