花のようなる愛しいあなた
最近そっけなかった秀頼がにこやかに自分の知らない姫君たちをもてなしている。
「何あれ…デレデレしちゃって」
松は苛立っている。
「お客様をもてなすのは主人の役目ですもの…大変よね…」
好きでもてなしてる訳ではないのだろう。
愛想笑いをしてるのはすぐに分かった。
でも…朝ご飯も夜ご飯も忙しくて一緒に食べてくれないのに…
あの姫たちと一緒に歌を詠む時間はあるんだ……
暗い感情に引っ張られそうになる。
確かにあの姫たちはキレイだった。
私なんかまだ子供だし
今は泥だらけだし……
汚いし……
「……」
何で私はこんなに一生懸命畑仕事してるんだろう?
何で泥だらけになってるんだろう?
姫なのに
あんな風に着飾って美しい方が秀頼くんに好きになってもらえるんじゃないの…?
秀頼くんはもう畑には来ないのに
一人で頑張ってバカみたい…
そもそも何で農業なんてやらされてたんだろう…
千姫は自分がひどく惨めに感じた。
「私ばっかり泥だらけになっててバカみたい…。
こんなこと、何の役にも立たないのに…」
千姫が吐き捨てるように言うと
「そんなことはないと思いますよ」
優しく千姫に話しかける一人の姫がいた。
年齢は15~16歳くらいだろうか、
質素な佇まいのその姫は少し神経質そうだが知的な雰囲気を醸し出していた。
「あ、あなたは…!?」
「失礼いたしました。
私は寧々さまのお付きで今日は来城しました、お辰と申します」
「寧々さまの…」
「寧々さまの用事が終わるまで待機しているところだったのですが、千姫様をお見掛けしましたのでつい…。
ご無礼をお許しください」
「いいえ…でも、お辰さん。
寧々さまに言われて農業やら算術やらを勉強したんですがそれが何の役に立つんでしょうか?
こんなことしてるよりもお化粧したりオシャレしたりした方が………」
ごにょごにょ言う千姫にお辰さんは理路整然と話し始めた。
「何あれ…デレデレしちゃって」
松は苛立っている。
「お客様をもてなすのは主人の役目ですもの…大変よね…」
好きでもてなしてる訳ではないのだろう。
愛想笑いをしてるのはすぐに分かった。
でも…朝ご飯も夜ご飯も忙しくて一緒に食べてくれないのに…
あの姫たちと一緒に歌を詠む時間はあるんだ……
暗い感情に引っ張られそうになる。
確かにあの姫たちはキレイだった。
私なんかまだ子供だし
今は泥だらけだし……
汚いし……
「……」
何で私はこんなに一生懸命畑仕事してるんだろう?
何で泥だらけになってるんだろう?
姫なのに
あんな風に着飾って美しい方が秀頼くんに好きになってもらえるんじゃないの…?
秀頼くんはもう畑には来ないのに
一人で頑張ってバカみたい…
そもそも何で農業なんてやらされてたんだろう…
千姫は自分がひどく惨めに感じた。
「私ばっかり泥だらけになっててバカみたい…。
こんなこと、何の役にも立たないのに…」
千姫が吐き捨てるように言うと
「そんなことはないと思いますよ」
優しく千姫に話しかける一人の姫がいた。
年齢は15~16歳くらいだろうか、
質素な佇まいのその姫は少し神経質そうだが知的な雰囲気を醸し出していた。
「あ、あなたは…!?」
「失礼いたしました。
私は寧々さまのお付きで今日は来城しました、お辰と申します」
「寧々さまの…」
「寧々さまの用事が終わるまで待機しているところだったのですが、千姫様をお見掛けしましたのでつい…。
ご無礼をお許しください」
「いいえ…でも、お辰さん。
寧々さまに言われて農業やら算術やらを勉強したんですがそれが何の役に立つんでしょうか?
こんなことしてるよりもお化粧したりオシャレしたりした方が………」
ごにょごにょ言う千姫にお辰さんは理路整然と話し始めた。