身代わり王女の禁断の恋
私の言葉を聞いて、お父さまは一瞬、顔を曇らせた。

「その結婚したい相手というのは、誰だ?」

私が口を開こうとすると、その前にクラウスが遮った。

「陛下、王女殿下は、まだお目覚めになられた
ばかりで混乱しておいでです。
もうしばらくお時間を差し上げていただけ
ませんでしょうか。」

はぁ……
全く、余計なことを。

「違うわ、お父さま。
私が結婚をしたいのは、クラウスよ。
私はクラウスと一緒になりたいの。」

私は、一息に思いを吐き出した。

お父さまは、開いた口が塞がらないとでも言うように、口をぽかんと開けて、私とクラウスを交互に見た。

しかし…

「クラウス! そなた、フルーナに… 」

お父さまの怒りは、一気に沸点に達する。

「いえ、決してそのような… 」

クラウスは慌てて否定をするけれど、それほど簡単に信じてもらえるはずもない。

私は、クラウスに代わって弁明をする。

「お父さま、誤解しないで。
クラウスはあくまで侍従として私に尽くして
くれてるだけよ。
私が、勝手にクラウスと結婚したいと
思ってるだけなの。
ねぇ、お願い、お父さま。
私をクラウスのところへ嫁がせて
ください。」
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