身代わり王女の禁断の恋
翌日、私は王女殿下に拝謁した。

王女殿下は、まだ本調子ではないのか、夜着にガウンを羽織り毛布を掛けて、カウチに身を預けていらっしゃる。

「まぁ! 本当にそっくりね。」

私をご覧になった王女殿下は、とても驚いていらっしゃるご様子。

王女殿下は、クラウスのしたことを詫びてくださったばかりか、父の爵位も子爵にあげると明言してくださった。

病み上がりだというのに、とても快活で魅力的な話し方をされるので、つい話に引き込まれてしまう。

私のような者を話し相手にとおっしゃってくださり、バイオリンを弾くことも許可してくださった。

そこへ、ノックが聞こえて、クラウスとともに現れたのは…

「アルフ!」

私が一番会いたかった人。

私は思わず、駆け寄って抱きつきたくなったけれど、王女殿下の前なので、その思いを必死に押しとどめた。

なのに…

「クリス!」

アルフが駆け寄って私を抱きしめてしまった。

「無事で良かった。」

アルフは私の髪を撫でながらそう呟いた。

「アルフも。」

私がそっとアルフの背中に手を添えると、王女殿下の咳払いが聞こえた。
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