身代わり王女の禁断の恋
けれど、クラウスは困った顔をしたきり、

「それは… 」

としか口を開かない。

すると、王女殿下が言った。

「クラウス、嘘はいけないわ。
アルフ、ごめんなさい。
私、毒を飲まされたんじゃないの。
自分で飲んだの。」

「え?」
「はぁ!?」

私とアルフは同時に声を上げた。

「私ね、クラウスにどうしてもどこかの
王子と結婚しろって言われて…
でも、絶対、そんなことしたくなくて、
死のうと思ったの。」

そんな…

ああ、でも、王女殿下がお目覚めにならなくて、もし私が王女殿下の代わりにアルフを諦めて誰かと結婚しろと言われたら…

「フルーナ、命を粗末にするんじゃない。
フルーナが国のために結婚しなきゃ
いけないのは、分かってたことじゃ
ないか。」

アルフがそう言うと、王女殿下はアルフをキッと睨んだ。

「じゃあ、アルフはクリスを諦めるのね?」
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