身代わり王女の禁断の恋
アルフは目を見開いた。

「諦めるわけないだろ。」

「あら、だって、アルフは王位継承権
第二位よ。
法に従えば、あなたは子爵家以上の家柄の
娘としか結婚できないわ。
クリスは男爵家の生まれよ?」

王女殿下の言葉を聞いて、アルフは大きく息を吐いた。

「俺は、王位継承権なんていらない。
どうせ、王位はフルーナが継ぐんだろ。
俺は王位継承権を放棄して王室を出るよ。」

アルフの声は落ち着いていて、きっと以前からそのことを考えていたんだというのが伝わった。

「残念ながら、そうはいかないのよ。」

王女殿下は笑った。

「なぜ?
もともと、俺は王室でも異端なんだ。
いてもいなくても一緒だろ。」

「そんなことないわ。
まもなくあなたは、王位継承権第一位に
なるんですもの。」

「は!?」

アルフが驚いた声を上げる。

私は驚きすぎて、声も出なかった。
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