身代わり王女の禁断の恋
「では、なぜ、私の名前をご存知
なんです?」

あ…

「いえ、それは…
あの、レオポルト王子は素敵な方だと
伺ったので… 」

「誰から?」

「あの、皆がそう噂をしておりました。」

私はしどろもどろになりながら、言い訳を考える。

「そう、何か、事情があるんだね。
じゃあ、それは、まぁ、いいとしよう。
とにかく、俺は、フロレンティーナ王女に
結婚を申し込んだんじゃないんだ。
君に、結婚を申し込んだんだ。
それは分かって欲しい。」

そんなことを言われても…

「俺は、第二王子だから、国王には
なれない。
それでも、精一杯、君を幸せにして
みせるよ。
だから、俺とトピアスに来てくれないか?」

レオポルト王子は前回もそうだったけど、とても押しが強い。

どうやっても断りきれない。

どうすれば…

私が返事に困っていると、ようやく曲が終わった。

「ごめんなさい。
私、戻らないと… 」

私が戻ろうとすると、レオポルト王子に手首を掴まれた。

「待って!
どうすれば、また君に会える?」
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