身代わり王女の禁断の恋
「本当ですか? クリスティアーネ嬢。」

えっと…

私が、アルフを見ると、アルフは微笑んで頷いてくれた。

うん… 大丈夫。

「はい。」

私が答えると、レオポルト王子は分かりやすく項垂れる。

「そう… ですか。残念です。
あなたに、もっと早くお会いしたかった。
………必ず、幸せになってください。」

そう言うと、レオポルト王子は一礼して去って行った。


ふぅ………

私は、大きく息を吐いた。

大ごとにならなくて良かった。

アルフは、私の肩を抱いたまま、言う。

「今日は、もう失礼しよう。
部屋まで送るよ。」

でも……

「ダメよ。
まだ、終わってないもの。
最後まで演奏するのが、私の仕事なの。
大分さぼっちゃったから、その分、
頑張らないと。」

私はそう答えて、アルフに微笑んだ。

アルフは肩を竦めて、

「仕方のないお嬢様だ。」

と楽団の席へ戻るのを見届けてくれた。
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