身代わり王女の禁断の恋
「ありがとう、アルフ。
私も何があってもアルフを支えられるように
頑張るわ。」

私がそう口にすると、嬉しそうに微笑んだアルフの右手が、私の手を離れ、頬に触れた。

「クリス、愛してる。」

そう囁いたアルフの唇は、そのまま私のそれに触れた。

私は目を閉じて、全身でアルフを感じる。

啄ばむように何度も触れていた唇が一瞬離れ、今度は、頬に触れた右手の親指でそっと唇をなぞられる。

どうしよう。

すごくドキドキする。

私はアルフの服をキュッと握った。

親指が顎に下がり、再び唇がしっとりと押し当てられる。

かと思うと、顎に触れる親指に微かに力が入り、口がわずかに開いた。

え!?

その隙間から、アルフの舌が入り込み、私の口の中を探る。

「ん… 」

何、これ!?

「あ… 」

戸惑いながらも、なんだか気持ちよくてぼーっとしてくる。

キスでこんなことするなんて、知らなかった。

アルフ… アルフ…

頭の中が、アルフ一色に染まる。
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