身代わり王女の禁断の恋
私は、アルフの手に私の手を重ねて言った。

「国王陛下の立場に立てば、仕方ないこと
なのかもしれない。
でも、それでアルフが傷つくのは、違うと
思うわ。
いつか、わだかまりなくにこやかに話せる
日が来るといいわね。」

私の言葉を聞いたアルフは、突然、私の膝裏と脇に腕を差し入れ、そのまま抱き上げてアルフの膝の上に乗せてしまった。

「え、あ、きゃ… 」

そのままアルフの腕に閉じ込められる。

目の前にアルフの優しい顔。

近すぎて、すごく恥ずかしい。

「クリス、どうして君はいつもそんなに俺を
翻弄するんだ?」

「え?」

私、何かした?

「愛しすぎて、
このまま離したくなくなる。」

「え… あの… 」

それ以上は、聞けなかった。

アルフが私の口を塞いでしまったから。

昨日のように徐々に深くなるくちづけ。

「ん… ふ… 」

アルフのことしか考えられなくなる。

ようやく唇を解放してくれたアルフだったけれど、そのまま今度は首筋にくちづけを落とす。

「あ… アルフ… あぁ!」

何? この感覚…

意図しない声が漏れて、とても恥ずかしい。

「クリス… 愛してる。
世界中の誰よりも。」

耳元でそう囁いたアルフは、そのまま私の耳にもくちづけた。

っ!!

なんとも言えない感覚が全身を走り、アルフにしがみついていないと体勢を維持できない。

私はそのまま、アルフの首筋に顔を埋めた。
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