身代わり王女の禁断の恋
クリスティアーネ
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クリスティアーネ

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「まぁ、とても素晴らしいわ。
1週間でよくここまで練習したわね。」

私が褒めるとエミーリエはとても嬉しそうに顔を綻ばせた。

「母さまが上手になったら、次のパーティで
エミリにもピアノを弾かせてくださるって
おっしゃったの。」

エミーリエは、ウェバー子爵の9歳になる令嬢で、私、クリスティアーネ・ディートリンデ・フォン・ミュラーの生徒の1人。


私は男爵とは名ばかりの貧乏貴族の家に生まれた。

母レオノーラは、大変美しい人だが、酷い喘息を患い、寝たり起きたりの生活をしている。

父リヒャルトは、シュテファン王国の宮廷楽師としてバイオリンを弾いていたが、昨年、突然吐血して、そのまま呆気なく亡くなった。


ミュラー家は、領地も少なく、僅かばかりの小作料と税収だけでは立ち行かない。

だから、今年21歳になった私は、父から教わった音楽を糧に、貴族の令息令嬢を相手にバイオリンやピアノを教えてミュラー家を支えている。
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