身代わり王女の禁断の恋
それから3日ほど経ち、私はユリアに言った。

「ユリア、今日から、散策にわざわざついて
来なくてもいいわ。
道も覚えたし、ひとりでのんびり歩くから、
あなたは他の仕事をするなり、少し休むなり
しててちょうだい。」

「しかし、クラウス様から、王女殿下を
しっかりお守りするように言いつかって
おりますので… 」

ユリアの言葉は、言外に、嫌だけど仕方ないとの思いを感じさせた。

「大丈夫よ。
クラウスには、内緒にしておくから。」

私がそう言うと、ユリアはほっとしたように、

「では、仰せの通りに… 」

と引き下がった。



その日から、私は、ひとりで庭を散歩するようになった。

花を愛で、鳥を愛で、小鳥のさえずり、風の音など自然の奏でる音楽に心癒される時を過ごした。
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