身代わり王女の禁断の恋
森へ
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森へ
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10月も半ばを過ぎたある日、私はいつものように庭を散歩していた。
チョコレートコスモスを手に取り、その深い色合いと香りを楽しんでいると、風もないのにコスモス畑がざわっと揺れた。
奥からこちらへ波のようにコスモスの揺れが向かってくる。
何?
戸惑う私の目の前に、一匹の小狐が飛び出した。
かわいい〜!!
驚いて固まる小狐に触りたくて手を伸ばすけれど、気づいた小狐は、さっと身を翻して森へ向かって走り出していく。
私は釣られてスカートを摘み上げて駆け出した。
けれど、森に入ってすぐに小狐を見失ってしまった。
「あーあ。
でも、かわいかったなぁ。」
そういえば、ユリアが言ってた。
この森では、国王陛下が鹿狩りや兎狩りをするって。
「じゃあ、ここには兎もいるんだわ。」
幸い、木こりたちが歩くためだろう。遊歩道のように整備されてはいないけれど、歩くのに困らない程度の道はある。
私はそのまま、森の奥へと進んでいった。
鬱蒼とした木の陰になっているからだろうか。
わずかに吹き抜ける風が、ひんやりとしている。
それでも、足もとの良くない道を歩いていると自然と体がぽかぽかと温まってくる。
森に入って10分もしないうちに、私は森の中に開けた広場のような場所を見つけた。
奥には、作業小屋なのかしら、小さな丸太小屋が建っている。
森へ
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10月も半ばを過ぎたある日、私はいつものように庭を散歩していた。
チョコレートコスモスを手に取り、その深い色合いと香りを楽しんでいると、風もないのにコスモス畑がざわっと揺れた。
奥からこちらへ波のようにコスモスの揺れが向かってくる。
何?
戸惑う私の目の前に、一匹の小狐が飛び出した。
かわいい〜!!
驚いて固まる小狐に触りたくて手を伸ばすけれど、気づいた小狐は、さっと身を翻して森へ向かって走り出していく。
私は釣られてスカートを摘み上げて駆け出した。
けれど、森に入ってすぐに小狐を見失ってしまった。
「あーあ。
でも、かわいかったなぁ。」
そういえば、ユリアが言ってた。
この森では、国王陛下が鹿狩りや兎狩りをするって。
「じゃあ、ここには兎もいるんだわ。」
幸い、木こりたちが歩くためだろう。遊歩道のように整備されてはいないけれど、歩くのに困らない程度の道はある。
私はそのまま、森の奥へと進んでいった。
鬱蒼とした木の陰になっているからだろうか。
わずかに吹き抜ける風が、ひんやりとしている。
それでも、足もとの良くない道を歩いていると自然と体がぽかぽかと温まってくる。
森に入って10分もしないうちに、私は森の中に開けた広場のような場所を見つけた。
奥には、作業小屋なのかしら、小さな丸太小屋が建っている。